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自意識過剰症候群

自意識過剰の人というとどのようなイメージが浮かびますか?他人の目を引く派手な姿をしている人を「あの人ちょっと自意識過剰」などと表現することもありますよね。

 

ユニークなファッションをして「見て!私ここよ!」と他人のアテンションを欲しがる目立ちたがり屋さん、とにかく流行を追っていないと不安になるいつもファッショナブルな人、「こんな服着ていたら笑われちゃうかも?」と心配する自己不信さんも結局は“他人の目を気にする”ということでは同じです。

 

自意識過剰症候群の人は他人に「バカにされているのでは?」とか「誰も自分を認めてくれない」と常に不安と自己不信が心の中にあります。それが強気に表面に現れるとビックリするような言動や服装をします。あるいはファッション雑誌にあるような常に先端のファッションをしていることもあります。反対に弱気に出るとなるべく人に目に付かない地味な言動と服装をするでしょう。

 

不良が制服を改造したりして他の生徒と違った格好をするのは自意識過剰からです。「何だよぉ、俺たちのことバカにしていんのかよ~!」「お前に俺の気持ちなんか分かるわけねーだろ!」などは不良定番の台詞ですが、これらはまさに彼らの心をクリアーに現しています。

 

強気で自信満々のように振舞っていても心の中はコンプレックスが一杯です。自己嫌悪、自己否定、自己不信などがグルグルしているのです。

 

そして、そのコンプレックスが弱い気で出ているのがいじめられっ子です。不良はそんな同じ波動を持った子供をしっかりと嗅ぎ分けて、気が合えば仲間として関わるし、そうでない場合はいじめたり、からかったりします。いじめっ子といじめられっ子は環境の要素が似ていることが多いものです。ただ、それが強気に出ているか、弱気に出ているかの表面的な違いです。いじめっ子が昔はいじめられていたというのはよくある話です。

 

親の無責任な放任主義、親の暴力、あるいは躾に厳し過ぎる親、夫婦仲が悪い両親の様子を常に伺いながら生きている子供。言い換えれば子供らしく伸び伸びと育っていない子供です。時には親にわがままを言うことが出来る環境に育つことが出来ない子供は親がいない時にも「監視の目」を自分の横に置いて生きてしまいます。

 

その見えない自分で作り上げた監視の目に常に脅かされているのが自意識過剰症候群の人です。

 

他人にどう思われるか?自分はどうするべきか?に意識が集中するために、のびのびと自然に行動するのではなく、一々躊躇するのでギクシャクした不自然な感じになってしまいます。

 

誰もが思春期には不安と自己不信から自意識過剰になりやすいものですが、精神的に成熟してくると落ち着いてバランスがとれてくるものです。

 

大人になっても「他人の目」を異常に気にするのは日本という国の持つ性質もあるでしょう。日本人は協調性や気配りなどをとても気にする国民です。協調性と気配りをすることで自分が居心地良く他人と関われれば良いのですが、協調性と気配りをどの位すればよいのか分からない人は過剰あるいは過少の両極端を行ったり来たりすることがあります。

 

すごく地味だった人が何かのきっかけで目覚めてド派手になったり、スキンヘッドにしたり、TATOOを入れてみたり…。美容整形もここに入ります。そのことで自信がつけば良いのですが、そうでない人は延々と整形を繰り返し、タトゥーの数がどんどん増えていきます。

 

もちらんファッションだけではなく言動もそうです。不快になるような乱暴な言葉を大声で話したり、異常にはしゃいだり、高層ビルをスパイダーマンのごとくよじ登ったり、なども自意識過剰症候群です。場を盛り上げようとはしゃぎ過ぎたり、格好の良いことを言おうと気負い過ぎて言わなくても良いことまで言ってしまったりして空気が読めない人と言われ、またまた自意識過剰に陥ってしまいます。

 

そして、人間関係のストレスから自分の意見は言わない、何も話さない、もっとひどくなると人間不信になって“引きこもり”になってしまいます。そもそも、人間不信は自己不信から始まっています。自分の他人に対する判断力を信じることが出来ない、自分自身で行くべき道を決める決断力がないことも自己不信です。

 

どうか誤解のないように!私はタトゥーや派手なファッションをしている人が自意識過剰症候群であると言っているのではありません。ド派手でもスキンヘッドでもそれは個人の美的センスです。人それぞれの好みの問題です。ヘルシーな自意識は私たちが生きていく上で必要です。自分で「これが好き!」と自分のファッションを貫いているのと、他人の目を気にしたファッションでは同じ物を着ていたとしても中から出てくるオーラが違います。

 

それらのファッションや言動がその人のバランスの取れた自意識からのものか、コンプレックスからなのかは他人からコメントをされた時のその人の反応の仕方で分かるでしょう。

 

自分の言動やファッションを他人にコメントをされて感情的になるのは校則違反の制服を着ていることを指摘されて逆上する不良と同じです。感情的になるのはコンプレックスがあるからです。

 

例えば、他人に「その服ちょっと派手じゃない?」と言われて「え~そうかな?」と言えるぐらいの心の余裕のある自意識です。反応は個人によって違うでしょうが感情的にはならないはずです。

 

「私のファッションを派手だって言った!(馬鹿にした!)」と感情的になる人に他人は心の中で思います(いや、だって派手でしょう?)

 

「私の意見を馬鹿にした!」(馬鹿にしていないよ。違う意見を言っただけだよ)

 

このように感情的に反応されると他人はもう何も言いません。もし、貴方が奇抜なファッション、驚きの発言をしているのに回りの誰からもコメントやツッコミがなければ「面倒な自意識過剰な人」と思われている可能性が高いかも知れませんよ。気になる人は友達にチェックしてみましょうね。

 

先にお話したようにいじめっ子といじめられ子のように自意識過剰症候群の症状は強気に出る時と弱気に出る時では極端に反する形で現れることもあります。しかし、根本のエネルギーは一緒なのでこの強気のタイプと弱気のタイプが友人、恋人あるいは親子などのカップルになっていたりすることもよくあります。

 

「なんであの地味な彼にあの派手な彼女が?二人が一緒にいるのか分からない」と言われる関係はこのようなエネルギーの関係であることがあります。自意識過剰症候群だけではなく、相反するエネルギーが引き合うことは良くあるものです。“同じ気質の陰陽”を参照して下さい。

 

「誰も自分のことを分かってくれない」= 誰も自分に興味が無い。

 

(強気に表面に出ると)何やったって気にしないだろ?関係ないだろう? と目立つことをする。
(弱気に表面に出ると)邪魔だと思われないように空気を読まなきゃと地味に目立たなく自己を抹消。

 

「自分のことをバカにしている」= 価値ある人間だと認めてくれない。

 

(強気)他人がしないことをして他人の注目を浴びる。
(弱気)下手なことは言わずにみんなに従う。

 

「みんなに(嫌いな人からも)好かれたい」= 嫌われるのが怖い。

 

(強気)こんな俺、誰も好きになんないだろ? と、嫌われる役を先に演じることで嫌われることへの恐怖を回避。すでに嫌われているので嫌われることを恐れなくて良い。
(弱気)みんなにとにかく合わせる、自分の意見は言わない、というよりも、いつも他人に合わせているので“自分の意見”がよく分からない。

 

他人とコミュニケーションが上手く出来ないことが問題の一つでもあります。他人の自分に対するコメントを「自分を否定している」として受け止めてしまう癖を変える必要があります。

 

日本人は多かれ少なかれこの自意識過剰症候群があるのではないでしょうか。戦後、ずっと持っている“白人コンプレックス”と“アジア圏での日本人優越意識”この対極に見える二つはコインの裏表で同じことなのです。そして、日本人は“日本人とは~”というタイトルの書物や記事を読むのが大好きです。
これは自意識過剰症候群のあらわれです。この私たち日本人が抱える国民的な“自意識過剰症候群”を取り去り、“バランスの取れた自意識”で国際的な日本人になっていけたらと思います。

 

併用する他の症候群

いじめられるタイプの人 → ギルト症候群、苦行僧症候群、自己批判症候群、貧乏症候群
他人を細かくチェックする人 → 独善的批判症候群
表面は自信があるように見える人 → ドラマクィーン症候群
一生独身と宣言する人 → 結婚アレルギー症候群
超謙虚、自己卑下 → 自己批判症候群

 

エクササイズ

喫煙者、元喫煙者、息を止めていることが多い、呼吸が浅い → 肺のエクササイズ
腸の調子を崩しやすい → 大腸のエクササイズ
疎外感、あるいは拒絶されていると感じる → 脾臓のエクササイズ
怒りを感じている人 → 肝臓のエクササイズ
悲しみを感じている人 → 小腸のエクササイズ

 

自意識過剰症候群の人のアファメーション

「私は愛され受け入れられている」

「私は私、他人は他人」

愛されていない、受け入れられていないというバイオコンピューターの設定を変更。自分と他人を比較する癖の設定も解除しましょう。

 

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