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自信がない。いろいろなパターン

=エリートなのに自信がないBさん=

子供時代から大学卒業までずっと成績優秀で社会に出てからもエリートの道を歩んでいるBさん。しかし、いつもどこかに「自信のない自分」がいるために責任のあるポジションにいることがとてもストレスになっていました。一体、優秀な子供時代を過ごした彼のどこにトラウマがあるのでしょうか?

 

小学生の時、90点取ったBさんへの母親の第一声は「あら、10点どこを間違えたの?」でした。なんと!90点を取っても褒めてもらえなかったのです。そして、100点を取ったら「私たちの子供なのだから出来て当然だよ」と父親に言われました。

 

親はBさんをけなしてはいませんが、褒めてもいないのです。親は心の中でBさんは「やればもっと出来る子なのだ」と期待をして応援をしているのでしょう。しかし、クラスで一番の90点も取ったことを褒められず間違ったところの指摘を受け、100点をとっても当然と言われたBさんの脳には「どんなに頑張っても褒められない」=「褒められる価値のない人間」という設定がされてしまいました。

 

反対に60点を取って「半分以上出来た、いいぞ! 次はもうちょっと頑張れよ!」「お父さんにはこの算数は難しすぎるなぁ。最近の子供は難しいこと勉強しているんだな。お前はこんなことを学校で勉強しているのか、凄いなぁ!」などと言われて育った子供は大人になった時に「学校の成績はひどかったですね~(笑)」と言いながら学歴コンプレックス無しに生きていくことができるものなのです。

 

どんなに成績が良くても子供は子供です、親に褒められれば嬉しいものです。親の考えているような「将来のため」という遠い将来を見通す思考はまだありません。精神的に親に大きく依存している時期の子供はどんなに勉強が出来ても心は子どもなのです。「親の喜ぶ顔が見たいから」「親に褒められたいから」子供は一生懸命に勉強をするのです。

 

では、成績が良かったら褒めれば自信がつくのか?というとそうではありません。(ここが子供の精神を育てる上で難しいところです)成績に関しては自信がついてもそれ以外のことでも褒めてもらえなければ「勉強が出来るから褒められる(愛される)」=「勉強の出来ない自分は愛されない」ということになり、常にトップでいようとしますが、心の中はとても不安定なまま成長します。

 

勉強が出来るから、スポーツが出来るから、大人の言うことをよく聞くから「愛される」のではなく、勉強やスポーツが出来ても出来なくても「そのままの自分で十分愛される」という自信が人格形成の地盤になるのです。

 

そのしっかりした人格形成の地盤の上に知識と経験を積み上げていくべきなのです。地盤がしっかりしていないところに高層ビルのように知識を積み上げていくと、経験と知識の差が開いた時に何かのきっかけで簡単に崩れてしまいます。

 

それが、極端な形で大人になってから現れると、突然キレて周囲を驚かせる行動を起こしたり、カルト集団に入ってしまったりします。

 

 

=なんとなく自分に自信がないCさん= 

何が出来ないから、というわけではありません。社会でそれなりに仕事もこなしています。しかし、「なんとなく自分に自信がない」という。子供の頃に2歳年上の姉と比べられた経験があります。子供の頃は2、3歳、年が離れているだけでも、やれることに大きなギャップがあります。それだけでも十分に妹は「負けている感」を持っています。

 

姉も子供なので容赦無しに「こんなことも出来ないの?」「バカ!」などとなじったりします。その上に叱咤激励のつもりで親が「お姉ちゃんはお前の学年の時はもう○○は出来たんだよ!」などと言われたらたまりません。子供にはそんな複雑な励まし方は理解できません。励まされたとは感じずに、何でも自分より出来る姉に比べられて駄目な子供だと言われたと受け取ってしまいます。

 

積極的な姉の陰にいつもいた自分、とC子さんは子供の頃の自分を形容しました。「私を見て、私を褒めて」と積極的に親にアプローチをする姉に対して、「どうせ自分は」とアプローチをしなかったC子さん、忙しい両親は姉を褒めるのに精一杯だったと大人になった今はよく理解できます。一人で大人しくしているC子さんのことは「あの子は大丈夫、一人でも大人しくしているから」と安心していた、楽だったと大人になってから母親から聞きました。

 

しかし、子供の頃のC子さんには「私なんてどうせ」が染みついていました。社会に出て仕事で成功し他人に認められても、その心の癖をずっと大人になっても持っていました。

 

「私がこんなに一生懸命にやっているのに認めてくれない」「私のことを馬鹿にしている」

 

そして、この心の癖は両親、姉、そして特に自分のパートナーや子供と関わる時に出てくるのでした。

 

 

 

=自信満々だけど不安が一杯なⅮさん=

これは先のC子さんの逆バージョンです。Ⅾさんの場合は弟の方が親のアテンションをたくさんもらっていました。弟と年齢差が少ないとすでに3歳の時にはお兄ちゃんとしてしっかりとすることで褒められると、本当は甘えたいのに「しっかりしたお兄ちゃん」を頑張って装います。

 

そして、そんなしっかりした兄に親も安心してしまい、ついつい甘えん坊で手の掛かる下の子をかまってしまうことになります。しっかり者の仮面の下には「ボクも抱っこして欲しい」という甘えたい気持ちが抑圧されているため弟がある程度大きくなった時に、その「悲しくて悔しい思い」が爆発して子供の頃は弟イジメという形で現れることもあります。

 

大人になったら後輩思いの頼りになる先輩、弱みは見せません。本当に心を開いた人にしか本心は見せないでしょう。

 

甘えるチャンスがなく、甘え方を知らないために一人で不安を抱え込む癖がついてしまいます。Ⅾさんはラッキーなことに大人になってしっかりものの姉さん女房的なパートナーに恵まれて、精神的にもしっかりとサポートをされて外では自信満々で頑張ることが出来ています。

しかし、そのようなサポートが身近にいないと精神的に自分で自分を追い込んでしまいます。

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